調理時間:60分以上
ギーはバターを煮詰めて水分やタンパク質を取り除き、ほぼ脂肪分だけにしたインドの黄金の食用油。
純粋な脂肪分に近いので、食用油を保存するように室温で保存可能です。
お得に大量買いしたグラスフェッドバターが冷凍庫を占領している、そもそも入らない。。でもギーにしてしまえば冷蔵庫を使うことなく瓶に入れて常温保存できるので、冷暗所にぽんっ、と置いておけます。
巨大なグラスフェッドバターも怖がらずに買ってしまえますので、良質な脂質で上質な糖質制限食生活を送れます。
グラスフェッドギー、響きが良くてテンションが上ります。
ギーの材料
食材
700~750mlの出来上がりになります。
1 | バター(無塩) | 850g ※容量950mlの瓶を使って溶かすので、溶けると約900mlになる量を使います。 ※普通のバターでもつくれますが、是非グラスフェッドバターで。 |
バターの重さと容量の参考値です。ガラス瓶の容量の参考にしてください。
重さ | 容量 | 備考 |
50g | 54ml | |
100g | 107ml | |
200g | 213ml | 市販の小さめサイズ |
450g | 479ml | 市販の大きめサイズ |
850g | 905ml | レシピの分量 |
1000g | 1064ml |
※バターの比重を0.94として計算しました。
道具
- ガラス瓶
- しっかり蓋のできる、液漏れのしない瓶を用意してください。
ギーの作り方
1 材料の準備
食材を準備します。

2 バターを瓶に詰める
「1 バター(無塩)」を、瓶に詰めやすいようにサイコロ状にカットします。

この段階で重さを調節して、狙いの重量にしてください。画像は900mlを狙って850gです。

大きめの鍋に瓶の高さの1/3程度まで水をいれ、50℃程度に温めます。

瓶にバターを詰められるだけ詰めて、湯煎にかけます。バターが溶けて、液体になっていきます。


ガラス瓶は給湯器のお湯など、ぬるめのお湯で温めてから湯煎してください。瓶とお湯の温度差が大きいと割れてしまいます。
液体になると瓶の中にスペースができるので、詰められなかったバターを追加していきます。
お湯は冷めたら適宜温めてください。


全部バターを瓶に入れられたら、しっかり蓋をします。

3 逆さで湯煎する
溶けたバターの入った瓶を逆さにして、湯煎します。

バターが溶けて完全に液体になると、バター中の脂分と、水分その他が分離していきます。1時間ほど湯煎してください。

1時間後、逆さのまま取り出します。
黄金色の油分が上に、逆さにした瓶の口に白い乳成分が分離しています。


このまま、逆さのまま1日放置して冷やし、脂肪分を固めます。
4 水分を取り除く
逆さのまま、脂肪分と乳成分が分離したまま固まりました。

瓶の向きを戻しても、脂肪分が固まっているため混ざりません。
瓶の向きを戻して、蓋をあけると、瓶の口には乳成分が溢れんばかり。


瓶から脂肪分はそのままに、乳成分を取り除きます。

水分を取り除いた後の白い部分もスプーンでざっと取り除きます。

5 火にかける
固まった脂肪分を鍋で火にかけて煮詰めます。スプーンなどで掬って鍋に入れてください。


固まっていて硬い場合は湯煎で溶かしてください。

溶けるまでは弱めの中火でとかします。

溶けた後は、焦げ付きやすいので五徳を2重にして距離をとったり、焼き網を間に挟んだりして鍋の火当たりをよわくして、弱火で温めます。
フツフツと泡が出る程度。


しばらくすると乳成分が浮いてきますので、取り除いてください。


どんどん油が澄んで、泡がだんだん細かく、少なくなっていきます。白い乳成分がでなくなって、泡がか細くなったら煮詰め終了。

6 油を濾す
そのまま少し冷まして、濾します。


油は粘度があって裏漏れしやすいので、注ぎ口のある容器が便利です。
7 完成
瓶など保存容器に注いで、

完成です。しっかり水分や乳成分を取り除いた、結構純粋な油になっているので、バターと違って常温保存可能。


きれいな黄金色、いかにも体に良さそうです!
ギーのまとめ
タイトルはギーとしていますが、ギーと澄ましバターの中間のような作り方になっています。
ギーは火にかけて弱火で煮詰めてつくります。バターを最初から煮詰めて作ると、ギーになるまで結構時間がかかり、また焦げ付いたりするのでほっておくこともできません。
澄ましバターを作るように湯煎して、固めてから分離、その上で火にかけて更に水分含め乳成分を取り除いて保存性を高めています。また、水分もあらかた湯煎によって分離できているので火にかける時間も短く、面倒が少なくなります。
ギーは煮詰めて作るため、乳成分が香ばしくなった独特の香りがして、それが魅力の一つ。でもオイルとして常用するには少し使い場所を選ぶかもしれません。その点、湯煎と煮詰めのハイブリッドは煮詰め時間が短く、煮詰めの時点では乳成分も少なくなっているので、クセはかなり弱め。料理にも使いやすいです。
発煙点が高く加熱に強い油なので、炒めものにも積極利用してみてください。