調理時間:60分以上(1週間程度)
酸っぱいキャベツの漬物、ザワークラウト。お酢で味付けをした簡易版ザワークラウトがありますが、本格的に発酵させてつくります。
ザワークラウトはドイツ語で、「すっぱいキャベツ」の意味。ドイツの伝統料理と言っても良いでしょう。ソーセージの付け合せとしてやスープに入っていたりします。フランスのシュークルートなど同種の漬物は各地にありますが、爽やかな酸味は乳酸発酵にっよってできた、乳酸による酸味。キムチや柴漬け、ヨーグルトと同じです。
乳酸菌が糖を分解して乳酸を作り出すのが、乳酸発酵。ということは発酵すると糖質も減るので、野菜が更に低糖質になって糖質制限ダイエットをサポートします。それだけでなく、キャベツの繊維質にまみれた乳酸菌は腸に届きやすく、ザワークラウトでの腸活で、糖質制限だけでなく免疫力アップが期待できます。
一緒にソーセージを食べると、流石に本場の組み合わせ。最高に美味しいです!
ザワークラウトの材料
食材
1 | キャベツ | 1玉 ※1玉1キロ位、春キャベツはもっと軽い |
2 | 塩 | キャベツの重さの2% |
キャラウェイシードやローリエど香辛料を加えることが多いようですが、何も加えずキャベツと塩だけです。
和洋中どんな食事にも合わせられると思います。
道具
- 漬物器
- ザワークラウトに限らず、色々な漬物が作れます。
ザワークラウトの作り方
1 材料の準備
食材を準備します。
キャベツに塩、シンプルです。
2 キャベツを切る
「1 キャベツ 1玉」をカットします。まず、傷んだ部分は取り除いてください。
固い外葉、内側の1、2枚は漬け込む際の蓋に利用します。外葉は土がついたり汚れていますので洗ってください。葉の芯をむしって取り除きます。
キャベツについている自然の乳酸菌で発酵しますので、洗いすぎず汚れを落とす程度で。
内側はほとんど汚れていないので洗う必要はありません。
中の柔らかい部分は千切りにします。芯を取り除いて、
ひたすら千切りにします
キャベツの芯、取り除いた外葉の芯も千切りにして、一緒に漬け込みます。
千切りが終わりました。
3 キャベツを塩もみする
外葉、千切りにしたキャベツ全体の重さを量り、「2 塩 キャベツの重さの2%」を準備します。
1000g、1キロのキャベツで塩20g。写真はキャベツ1127gなので「1127×0.02≒22.54g」。
用意した塩を、千切りにしたキャベツに全部ふりかけて、
よく洗った手で、全体を混ぜ合わせるようにかき混ぜながら、よく揉み込みます。
揉み込んでしんなりしてきたら、そのまま15分ほど放置します。
キャベツから水分が出てきます。
4 漬け物器でつける
漬物器にキャベツを漬け込みます。
容器をよく洗って、清潔にします。
漬物器の中に塩揉みしたキャベツを詰めて行きます。文字通り詰めるように、ギュギュッっと隙間をなくすように押し込みます。
キャベツから出た汁はすべて漬物器に入れてください。
よけておいた外葉を詰めたキャベツの上面に敷き詰めて千切りキャベツを密封します。
漬物器の蓋を締め、圧力をかけます。ここで外葉までキャベツ全体が水分に浸かるようにしてください。
↑の画像のように葉っぱが水分から頭を出しているようであれば、2%程度の塩水(水100mlに塩2g)を作って容器に足し入れて、キャベツ全体を沈めます。キャベツが空気に触れないようにしてください。
乳酸菌による発酵を行います。乳酸菌が働くことにより他の菌が繁殖できなくなります。
乳酸菌は空気を嫌う菌で、塩水の外で空気に触れている部分では乳酸菌が働きにくくなります。そうすると別の菌(カビなど)が繁殖して、失敗してしまいます。
5 発酵
ここから大体1週間くらい、常温で発酵させます。
下の写真は2日後です。細かい泡が湧いて少し濁り、匂いはキャベツが古くなったような、あんまり良い香りではありません。。汁を舐めてみると、キャベツ風味の塩水、といった感じです。
濁りが濃くなって行きます。
ある段階から香りに酸味を感じ、漬物っぽい香りに。色も緑色が抜けて黄色っぽくなります。
汁を舐めてみて、
酸味、酸っぱさ >> 塩味
になったら発酵終了です。
出来上がりまでの時間は気温によります。
秋、春の気候で1週間前後、夏なら3日程度で出来上がります。
冬でも暖房の効いた部屋に置いておけば1週間程度。
6 完成
瓶に詰めて冷蔵庫で保存します。
しっかり乳酸発酵し乳酸ですっぱく酸性になっているので、冷蔵しておけば半年以上保存可能だそうです。でもすぐ食べきってしまうので、そんなに保存したことはありません。
いただく際は汁気を絞って。そのまま食べるもよし、料理に使うもよし。
蓋にしていた外葉も食べられます。細かく刻んでそのまま食べると高菜漬けのような歯ごたえで、スープにいれたりしても美味しい。
ザワークラウトのまとめ
キャベツに限らず、葉物の野菜は常温ではすぐ傷んでしまいます。ザワークラウトなど乳酸発酵の漬物は野菜を常温でしばらく保存できるようになります。塩気と乳酸菌が作り出した乳酸の酸が、腐敗に関する菌や害虫から守ってくれます。冷蔵庫のない時代、収穫できた貴重な野菜を乳酸発酵の漬物にして、保存できる期間を伸ばしたのでしょう。
乳酸発酵の良いところは火を通さないことです。野菜に含まれるビタミンCが壊れずそのままになります。それどころかビタミンCは乳酸菌によって新しく作りだされます。乳酸発酵によって栄養が増えるのです。そして乳酸菌が体内にたくさん取り入れられることで、体の免疫の最前線である腸の環境も良くなり、免疫力も上がります。
人間はずっとこのようなものを食べて生活してきました。
現代のスーパーで販売されている漬物のほとんどは、旨味が強くてとても美味しいです。しかしただの味付け野菜で、発酵食品にある利点がありません。美味しいだけ、ただ塩分を摂取しているだけ、になっている可能性があります。昔と比べ本当の発酵食品を食べる機会は大幅に減っています。
糖質制限に目を向けてみると、昔と比較してみてどうでしょうか。
血糖値が上がりにくい玄米や雑穀を食べなくなりました。砂糖、お菓子は極めて身近になりました。車移動、オフィスワークの増加などで運動量が減り、食事で摂取した糖が使われにくくなっています。
食に限らず、昔の人間の暮らしと大きく変化があったところに目を向けてみると、現在の不調、未来の健康のヒントが有るような気がします。