調理時間:60分以上
昆布締め(こぶじめ、昆布〆)はご存知でしょうか。
お刺身を昆布ではさんでしばらく置いたもので、元のお刺身とは別の味、食感に。水分が抜け身がむっちりしまり、昆布の深い旨みが刺し身に移ります。
お安い魚は身が頼りなかったり、味が物足りなかったりしますが、昆布締めにするととても美味しくなります。
そして水分が抜けるので、日持ちもよくなり、冷凍とも好相性。冷凍、解凍によって味が落ちたりせず、美味しくいただけます。 冷凍庫に備蓄して、基本低糖質な魚介のお刺身を、思い立ったら食べましょう。
お安く手に入る、生食可のびん長まぐろ、割れたホタテを、たくさん昆布締めにして冷凍保存します。
昆布締めの材料
食材
4人前以上。
1 | 刺し身 | |
びん長まぐろ | 1000g | |
ほたて | 200g | |
2 | 昆布 | 20cm四方 4枚程度 |
3 | しょうが | 1かけ |
4 | 酢 | 少々 |
刺し身で食べられるならものなら、基本何でも昆布締めに出来ます。
でも昆布締めに向いているのは、脂が少なめの素材。脂が少ないほうが昆布の味がまわりやすく、昆布締めらしい味わい、食感になります。
そして今回使っているびん長まぐろなど、身が柔らかめの魚も昆布締め向き。水分が抜けて身がしっかりし、食べやすくなります。
昆布締めにしやすい、板状で大きさが揃えてある、昆布締め用昆布が売っています。昆布をたくさん使うのでお値段が気になりますが、お安い切れはし状で売っている昆布でも十分美味しく、全体に敷き詰めればOKです。
道具
- 特になし
昆布締めの作り方
1 材料の準備
材料を準備します。

びん長まぐろは1キロの大きな柵。ホタテと共に冷凍ものでしたが、解凍済みです。
クッキングペーパーなどでしっかり水分をとっておきます。
2 昆布を掃除する
「2 昆布」の表面を掃除します。

「4 酢」を少々垂らし、クッキングペーパーなどでさっと表面を拭きます。


表面、裏面ともさっと拭きます。

3 素材を昆布で挟む
昆布で刺し身を挟むだけなのですが、身がしまって薄くなるので、厚めに切るのが美味しいです。5mmから1cm程度がおすすめです。


「3 しょうが」は細かい針生姜にし、昆布の上にまぶします。その上に刺し身をならべます。昆布の大きさに合うように刺し身を切ってください。


2段にします。並べた刺身の上に昆布を敷き、しょうがをまぶし、また刺し身を並べます。


最後に昆布で蓋をして、はさみます。

ほたてはしょうがをまぶさず、昆布の上に並べてはさみます。


ラップに包んで冷蔵庫で半日、一晩程度。

ある程度時間を掛けて締めます。そうすると昆布がしっかり水分を吸い、昆布の味もしっかり刺し身に移ります。
4 完成
半日締めた昆布締めです。水分を吸って柔らかくなっています。

お皿に盛り付けて、完成です。

昆布はもったいないので、お味噌汁の出汁をとったり、具にすると美味しいです。柔らかいのでそのままでも食べられます。
補足 小分けで冷凍保存
今回は1キロのびん長まぐろと200gのホタテを昆布締めにしました。締め終わったらそれぞれを1食分に切り分けて、


真空パックで脱気して、冷凍保存します。

身から水分が抜けて、昆布が保持しているので、解凍しても味が抜けずに美味しいままです。
ジップロックで冷凍保存したばあい、ジップロックは酸素を通すので酸化が進みます。ある程度早めに食べてください。
昆布締めのまとめ
お寿司屋さんなどで、鯛やヒラメなど、高級なお魚をさっと1時間程度締めた、素材の味を生かした上品な昆布締めをいただくことがあります。
とても美味しいですが、ほんの少しの違和感があります。
自分は北陸地方の出身で、昆布締めは馴染み深い食べ方です。地元では昆布締めはごく普通に売られています。一般的に使われる素材は「サス」や「サワラ」と呼ばれる魚で、カジキマグロのこと。お刺身でも食べるのですが、身が頼りなく、味もなんとなく薄め。名物の「ブリ」と比べるとお値段は安めですが、脂も少なく、物足りなく感じます。
カジキマグロは、富山県では「サス」、石川県では「サワラ」と言います。ややこしいですが「鰆(サワラ)」は別物です。。
昆布締めにするのは保存性がよくなるから、など理由があるのかもしれません。しかし、やっぱりブリにくらべてサスの刺し身が物足りないから、わざわざ昆布締めにしているのだとおもいます。
分厚く切ったサスの刺し身を、じっくり時間を掛けて昆布締めにすると、身がねっちり濃厚になり、昆布のグルタミン酸の旨味がしっかり身に移ります。
お寿司屋さんの鯛をつかって浅く締めたもののような上品さは無く、しっかり熟成したような、力強い味わい。ねばねばした昆布感。これぞ、普段の食事で食べるもの、のような感覚です。
お安いけど物足りない素材を力技で美味しく。冷凍保存にも向いているので、大量購入しで更にお得に。低糖質な魚介のお刺身を、普段のおかず用に、冷凍常備しておきましょう。