はじめに
レシピ紹介している糖質制限甘味料について、料理に使いやすくなるよう「砂糖と同じ甘さ」に調整しています。そのために複数の甘味料を混ぜ合わせています。
「砂糖と同じ甘さ」について、何を元にして、どのように甘味料の割合を決めたか、について説明します。
甘さの指標「甘味度」
甘味料の甘さの目安として、「甘味度」があります。甘味度は甘味料の甘さの指標で、「砂糖」の甘さを「1.00」とした場合の甘さを表します。
甘味料の甘味の強さを評価したものを 「甘味度 (かんみど)」 といいます。一般的には、純ショ糖 (砂糖) 溶液と比較した値で表わされます。この評価は、パネラー (被験者) による 「官能検査」 により、甘味を感じる最小の濃度 (“いき値” といいます) の比較、または一定濃度のショ糖溶液 (例えば10%溶液) と同じ甘味の強さを示す被験甘味料の濃度の比較で行われます。
独立行政法人農畜産業振興機構 お砂糖豆知識[2001年9月]
細かくは測定方法がいくつかあるようですが、大まかには砂糖水と他の甘味料を溶いた溶液との味の比較で行われています。
エリスリトールやステビアの甘味度を記載した資料に当たると、測定値に幅があります。当サイトでは、
とします。
砂糖と同じ甘さを感じる、甘味料の重量
エリスリトールスイート3倍はエリスリトールとステビアが混ざったもので、甘味度は砂糖の3倍の「3.0」です。砂糖の1/3の量で同じ甘さとなります。砂糖1gと同じ甘さを感じる量をX3(g)とすると、X3の3倍が1gとなりますので、X3は、
3X3 = 1
X3 = 1/3 ≒ 0.33 g
となります。同様に、エリスリトールスイート5倍の場合をX5(g)、9倍の場合をX9(g)とすると、
X5 = 1/5 = 0.20 g … エリスリトールスイート5倍
X9 = 1/9 ≒ 0.11 g … エリスリトールスイート9倍
となります。
エリスリトール単体の甘味度は砂糖の70%の「0.7」で、砂糖と同じ甘さを感じるにはより多くの量が必要になります。砂糖1gと同じ甘さを感じる量をXe(g)とすると、Xeの0.7倍が1gとなりますので、Xeは、
0.7Xe = 1
Xe = 1/0.7 ≒ 1.43 g
です。
砂糖と同量で同じ甘さにするための、甘味料の割合
「エリスリトールスイート3倍」と「エリスリトール」を混ぜ合わせて砂糖と同等の甘さとし、それを100g作成する、とします。
砂糖の1/3の重量で砂糖と同様の甘さになるエリスリトールスイート3倍を、重さY3g用いたとすると、1/0.7の重量で砂糖と同様の甘さになるエリスリトールは(100-Y3)gで、両者を合計すると100gとなります。
1/3Y3 + 1/0.7(100ーY3) = 100
Y3 = 39.13 g
となります。同様に、エリスリトールスイート5倍のY5(g)、エリスリトールスイート9倍のY9(g)は、
1/5Y5 + 1/0.7(100ーY5) = 100
Y5 = 34.88 g
1/9Y9 + 1/0.7(100ーY9) = 100
Y9 = 32.53 g
となります。よって、砂糖と同様の甘さ100gの甘味料に調整するには、それぞれ、
となります。
糖質制限甘味料のレシピでは、わかりやすさのため上記の値について、数値の区切りをよくするために調整しています。エリスリトールスイート9倍の場合は他より少しだけ誤差が大きいですが、問題のない範囲だと考えています。